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2009年4月 9日 (木)

オレはコン・リー?!

旅行に友達と行くのは慎重にしなくてはいけないと、
よく聞いていたが、
いつでも、たいして人の話を聞かないオレは、
大失敗した。
経験者が言った事は大切だ。

もともと、旅行は温泉もあまり好きじゃない。
ある時、当時仲がよかったイタリア通の女性に、

「イタリア行かない?
  働いてばかりじゃダメよ!息抜きも大切よ!」

その頃、
オレはバリバリ2時間ドラマに出て人を殺していた。
よくも、あれだけ続けられたものだと今、思う。

そして、
いくらドラマ上とはいえ、
人を痛めつけ、殺し、そんな事ばかり毎日していたので
うつ病になった。
んな、ことはどうでもいい。

そこで、叉、なにも考えてないオレは大失敗…した。

「初めてなんだから、観光もしたいでしょ!
 ツアーにしましょう!
 一ヶ所に二泊コースが良いわね!」

しかし、ツアーの恐怖を体験した。

一緒に同行するのは日本人だ。
何度も言うようだけど、
当時バリバリテレビに出ていたオレの顔は皆に知れていた。
最初、猿のようにじろじろ見られた…

くっはーーっ!!なんてもんに参加しちまったんだろう!
それは、オレがバカだとしか言い様がない。

成田で涙がチョチョ切れたけど、もう後戻り出来ない。

でも、ツアーに参加した方達はとても良い人ばかりで、
イタリアでは、
他の日本人観光客に囲まれた時に助けてくれた。
…とても申し訳ないと思った。

これからは、ツアーはやめよう。
固く固く決心した。

でも、それはほんのプロローグ。

取りあえず、その女性と出発したのだ!
初めてのイタリアへ!!
ローマ、フィレンツェ、ベネチア、パリにと!
パリはフランスだけどね。

まずは、ローマへ。
「観光やめない?」
「へ?」
「添乗員にいえば平気よっ!」

地獄巡りが始った…
その女性は、ブランド大好き人間だったのだ。
オレはブランドにまったく興味がない。
好きなお店は、雑貨、絵、本屋くらい。

にしても、ブランド大好き人間の買いかたは物凄い。
ただ、口を開け、唖然と見ているだけだった。

ローマ、フィレンツェ、ベネチア…
何処に行っても、
プラダ、エルメス、グッチ、ドルチエガッパーナ、
ベルサイユ…じゃね〜…ベルサーチ…
ブランドの店を見て回るのだ。
すでに二回三回行ったブランド店だって、
新しい土地に行けば、必ず足を運ぶ。

同じブランドなんだ、一回行きゃ、いいだろ……
店にいるのに疲れ果て、外に出て道の脇に座り、

「空が高いぜぇ〜〜」

と、ポツリと言い、
浮浪者のオヤジの様にむなしく煙草をふかした。

「なに!
 そんな所で煙草なんか吸ってんの!
次はグッチよ!!

…さすがに腹が立ってきた。
顔もだいぶ…気荒な顔に変わってきた。

そのツアーは新婚さんが多く、
オレのどんどん変わって行く形相を見て、旦那さん達も、
気持ちが同じだったんだろう…とても仲よくなった。
誰かが言った。

「…いや〜参りますよね…今日の夜は一杯行きますか?」

心の中で、ここは新橋じゃねえ…イタリアなんだ…
と思った。

そして、今度は、皆で、無言で煙草をふかす…

どこだったか忘れたが、二人で、あるチャイニーズに入った。

「わーーーっ!」
「おおーー!」

店に入った途端歓声が湧き上がった。
一瞬、何が起きたのか戸惑った。

友達の女性が言うには、
最近イタリアに、コン・リーが来たらしい。
で、とても気荒で強気な顔になっていたオレを、
客も店員も、
コン・リーと勘違いしているらしい。

その店は人気があるらしく、

「予約しないと入れないかも知れない」

と、添乗員の方に言われていた…その通り店は超満員。
そんな人達の大歓声……

オレは…皆の勝手な勘違いのコン・リー様。

とても、良い席に案内してくれる。
頼んでもない料理も出てくる。
二人で焦り、

「この人はコン・リーじゃないんです!」
「コン・リーじゃありません!ジャパニーズです!
 
ジャパニーズ!

でも、そんな事は聞いてもくれない。
二人で、説明するのも諦めた。

「料金はいらない」

と、店長に言われた。
オレは本物のコン・リーじゃない。
冗談じゃない!バレた時、詐欺になる!
と思い料金だけは払った。

でも、サインはどんだけ断っても、店長は折れず…
書いた…
Photo_2

と、
だいぶ前の事なので、
壁に掛けられたそのサインはあるのか?
どうか分からんが、
この、まぬけなサインがあったら、それはオレだ。


そして、パリで逆噴射!切れた。

オレは…名前忘れた…
ある有名な美術館に行こうと決めていた。

一人で行動出来ない、その方は
ベルサイユ宮殿をどうしても見たいという。

「もう、
 
ベルサーチって所もたっくさん回ったんだ!
 
行かなくてもいいだろうっ!

女は…いやだ……と、とても、しょぼくれた。
オレは…しょぼくれに弱い…ちっ!と思いながら一緒にいった。

ベルサイユ宮殿には、
オスカルもアンドレもいなかった。

その後、「エルメスに行きたい」と言う女性を振りほどき、
オレは一人逃亡した。

心を癒してくれたのは、小さな絵の工房。
窓外からのぞいていたら、そこのおばあさんが、

「どうぞ」

と、店の中に招いてくれた、その上、
若い女性が絵を書いている、
店の2階まで連れて行ってくれ、
コーヒーを出してくれた。

言葉は通じなかったけど、とても素敵な時間だった。

…パリでは、
エッフェル塔も凱旋門も見られなかった。

でも、今、振り返れば、
その女性の毎日の過酷な働きぶりを思い出し、
それくらいバカ買いしたい気持ちも分かる気がする。

そのお陰で、オレは今も買いはしないけど、
いろんなブランドがある事を教えてもらった…

良い社会勉強だったと思えるようになった。

まだ、あるのかな?
オレの…『コン・リー』のサイン…………

それと…………………………………………………………
成田にやっと戻ってきた時、
オレのスーツケースは成田、日本に戻ってこなかった。
パリの空港で迷子になっていたらしい…

周りは心配してくれたけど、オレは、

……もう何の感情も起きなかった。

4日後、スーツケースは我が家に届いた。まる。

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