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2009年3月30日 (月)

声を出して泣きなさい…。

ある日、ある人を失った。
23年間、いつも、いつでも側にいてくれた。
同じような稼業なので、家人には
言えないことも当たり前にある。

その人はいつも、いてくれた…。でも、死んじゃった。
死ぬ年じゃないのに。
3

突然、膝が崩れ落ち、動悸… 涙なんか出ない…
感情がなくなった。
オレは変なのかな?
両親の死の時は…キチンとしていた…

ある人のはからいで、
葬儀より、お通夜のが、ゆっくり側にいられるからおいで。
と、呼ばれた。

会いたいのに恐い。でも、会いたい。

その場所に入った瞬間、遺影が見えた。

動けなくなった。

席に着くことも出来ず、お焼香もまともに出来ず、
みっともない姿…

声は出ないのに…膝に抱えたコートが、
涙でずぶ濡れだ。

その人が大好きだったお饅頭をふたつ、
ハンカチに包み、持って帰った。

その人が大好きだった朝焼けの時間まで、
お饅頭が固まらないよう胸に抱え暖めた。

その日の朝焼けは…
まぁ、普通。
なんでも頑張ってしまう人だったから、

「これくらいがいい感じよ…好きだな…この淡さ…」

淡い朝焼けに、
白いハンカチにふたつ包み込んだ饅頭を空に上げた。
突然、
鳩が目の前の電線に飛んで来た。
1メートルもない間でオレをじっと睨んで微動だにしない。

「あんた、じじぃ?」
「……」

その内に、さりげなく…
空が…優しい…フッと、
息をかけたら消えてしまうような、
じじぃが大好きな色に染まった。

『オレは、こういう朝焼けの方が好きなの』

と、声がした。
と、思ったら、
その鳩は、息が止まるほどの朝焼けを見上げ、
あっという間に飛んでいった。

…最後まで我儘だ。ばか。

寒さのお陰で饅頭は固まり、食えなかった。くそっ。

女優だけしかなかったオレの中に、
何げない絵、ストーリーがあることを
気づかせてくれた。
そして、沢山、動いてくれた。
でも、
その時は
いろいろな事情で絵やストーリーは止めざるを得なかった。

「あきらめるな。タイミングとか…いろんなことがある。
 これは本物だから、必ずやれる時がくる」

優しくなく。
とても、きつくね。

もうちょい、
時間はかかるけど、やろうと思えるようになってきた。

家族が亡くなった時は…
言葉にできないくらい苦しかったのに
でも……家族でもなく…
う…ん。
うん… 同じか。

そんな関係だったから…か…

人よりも食い地がはっているのに、
何も食べられない…水も飲めない…

…怒られる(その人に…)
自分で大っ嫌いな病院に行った。
いつも腹痛、風邪でお世話になっているA子先生。

「…23年間、多分…夫婦みたいな関係だったのね。
 本当の夫婦が全ての気持ちが通じあうかっていったら
 そんなことないよ(笑)。
 少し離れていたから、そんな関係が続いたのかもね」

「……」
「声出して泣きなさい」
「…できない…」
「じゃ、沢山沢山、その人の顔、想いだしなさい。
 これからも、想った時は泣けばいい。忘れるなんて意味ない!」

知らぬうちに涙がこぼれた…

その人とオレの変な趣味。
少し高台の駐車場に座り、
くだらない事を話すのが好きだった。

雪、雨が降っていても。
桜の花びらが散っていても。
暑い夜でも。
凍える夜でも。

病院の帰り道、
小さな…平たい駐車場を見つけた。
景色なんて見えない。周りは民家ばかり…でも、
沢山沢山泣いた。
とことん泣いた!これからだって想い出したら
沢山泣くんだ!!!

両親の事、友達の事、その人の事、
想い出して、懐かしむことは、

時には、涙することは…いけないことじゃない…。

だって、
それだけ想うって事は、
嫌なことも良いことも含め、
大切な事を教えてくれたってことだものね。

ありがとう。だね。

一昨日、
メールが来た。

その人の『お別れの会』が、
四月の終わりに行われる事になった。
突然「へっ!?」と
天井を見た。
確かに聞こえた。

「人がぞろぞろ来る所に、お前は来るなッ!」

あんまりにも、いつもの二人の会話口調なので、
天井を見上げながら、つい、ゲラゲラ笑い転げた。

ほら?見て。これなんの実?
美味しそう。取ってみようか?誰も見てないし♪
Photo

遠い昔のこと。
いつも、オレは順調にいかない。
なんせ、こんな気荒な性格だ。
気が荒れ…生活も荒れていた時もしばしば。
ある日、電話が鳴った。

「もしもし…」
「元気か?」
「うん…」
「………」
「なに?」
「近所に川あったね」
「…」
「橋の上から、川の流れを1時間見てきなさい」
「なんで?」
「いいから。じゃ」

ばかばかしい!と、思いつつ、
電話を切り、橋の真ん中に立ち、川を流れる水を見た。
…………。
1時間…もっとかも…

川を流れる水も、すらすらと流れていると思っていたけど、
そうじゃなかった。
大きな石、小さな石、ゴミの固まりが邪魔し、
窪地では水が渦巻いて前へと進めない…

自転車で通る学生が物を放り投げる。

すらすら流れていた水も、
その投げられたゴミでほんの少し行き先が変わる。

一見、同じ速度に見える川の水にも、
いろいろな障害がある。

でも、
それぞれの力で…それぞれの速度で前へ前へと流れていく。

単純な物事の流れ。
でも、それは単純に見えるけど単純じゃない。
反対に単純が簡単に思えた時…恐いと感じた。

日が暮れるまで、
橋の真ん中で川の流れから目をそらせなかった。

だんだん気持ちが落ち着いてきた。

家に戻り、電話をかけようと思ったけど…やめた。
ご飯を作ってモリモリ食べ、お風呂に入って寝た。
翌朝、ご機嫌で目が覚めた。

…肝心な事は、言葉で教えてくれない人だった。
自分で、見て、感じて、考える。
急速に自分の判断で何かを決めなきゃいけない時は、
とにかく決める。
それが失敗してもいい。
痛いと思うことは、とっても大切なんだよ。
それが、徐々に自分の中で蓄積されていくんだ。
何かを決める力へとね。恐がらない。ガン!と行け。
そんなことを…沢山、教えてくれた気がする。

今でも、
普通にあるものを大切に思いたい、感じたい。
その中には、とても大切な物があると思うから。
Photo_2

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