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2008年5月31日 (土)

西の魔女が死んだ13

★ 西魔女13脚本奮闘記

第1日目、西の魔女ことサチさんと軽い顔合わせ、
と思ったら、
西の魔女は、物語について突っ込んだ話をして来た。
それは明日やる予定なんだけど…
と思いながらいろいろ話した。

で、翌日、
制作会社の会議室で
プロデューサー、監督、助監督、通訳含め
本格的な脚本のディスカッション。

お互い気になる所だけ打ち合わせるのかと思っていたら、
脚本の初めから、
最終ページまでびっしり話し合いが続いた。

しまいにはオレが『まい』や他の役者になり本読み状態の
ディスカッション。

サチさんは、おばちゃんの話し方がキレイすぎる。
もっと、まいに対して
普通の親しみある言葉で話したいと言った。

…どう説明すれば良いのか…

でも、

でも、普通の親しみある話し方をすることは、
この物語では違うのだ。
原作が持っている話し方の大切さを何十分もかけて伝えた。
サチさんもプロなので分かってくれた…。

そして、細かい感情は…
アメリカで何十年も英語で、
文化が違う場所で暮らしていたのだから、
いくら年少時代日本で暮らしたからといって
分からない事だらけなのは当たり前だ。
そんな細かい感情を初めから説明していった。

サチさんの中でもひとつひとつ
心の奥底にあった疑問が解決されていったようだ。

ひとつだけ、
サチさんとオレでぶつかった。

それは、
おばあちゃんの祖父が海に落ちた話をする場面だ。

サチさんは台詞の中に祖母、祖父という言葉が
何度も出てきて言いにくいと言う。

当たり前だと思った。
オレがおばあちゃん役だったとしても、
なんとかしてくれないかと泣きつくだろう。
でも、此処だけは譲れなかった。

サチさんは言った。
「意味が通じるなら、祖父、祖母じゃなくて、 
   おじいちゃん。おばあちゃんの方が
   良いんじゃないか? 」

「じゃ、そうしましょう。
 でも、サチさんが演じるおばあちゃんの
 品格がなくなります。
 品格というのはとても小さい所に出るんです。
 とても大切だと思う。
 私にとっては、
 祖父、祖母という言い方がそれなんです。
 映画が出来上がった時、
 あなたが、おばあちゃんが、
   品格なく見られたくなかったので、
 大変だけど
    祖父、祖母と言って欲しいと思ったんです。
 小さな事ですけど。
 でも、意味は通じるのでサチさんの言う通りに、
 やめましょう」

どう話そうか…自分なりに考えた賭けだった。

(さあ。どうでる?)

と心の中で思い、
サチさんの顔も見ず目の前にあるお菓子を食べていた。

サチさんは少し無言になり、

「祖父、祖母で行きます」と言ってくれた。

1jpg_2
結構激しい討論だったので
そこで休憩を入れる事にした。

オレが煙草を吸いに立ち上ろうとした時、
サチさんが突然立ち上がり早足で近寄ってきた…
結構きつい事をバンバン言ったので、
殴られるのかなと思ったら、オレを抱きしめた。
とてもビックリした。

「私はこの役を完璧にやりたい…
     …でも恐いわ…とても…」

私を抱きしめ泣いていた…。

オレは…オレも役者なのでその気持ちは十分わかる…
たしかに恐いよ。
しかも、サチさんの台詞は全て日本語で、
難しい言葉が沢山ある。
オレはサチさんの背中を撫でた。
そして両頬を包んで

「出来ないと思ったら出来ない。
 出来ると思ったら出来ます。
 後はサチさんがこの役へ、
 どれだけの愛情を注ぎ込めるかです。
    絶体出来ます。
 私のこういう勘はとても当るの、大丈夫です。」

と、抱きしめた。
何か威張っているみたいだったけど…
そうする…そう言う以外なかった…。
カチンコがなれば役者は誰でも一人なのだ。

そんなこともあり二人の仲はとても近くなった。
撮影が始まり応援FAXを何枚も送り、
現場に行った時は二人で一緒にご飯を食べ、
内緒話をして泣いたり、怒ったり、笑ったり… 

でも、現場では、
ディスカッションした時のサチさんではなかった。

堂々とした、おばあちゃんだった。

今考えると…

ほんとオレは性格が熱いから、
相手が外人でも偉い人でも
話し始めたら関係なくなっちゃうんだなと反省もした。

西魔女14脚本奮闘記へ つづく

次回は、
西の魔女とまいとのリハーサル風景です。

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