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2008年3月16日 (日)

変な焼き芋屋さん

Photo_3毎年、深い秋から初夏くらいまで、
ウチの近所の周りに現れる焼き芋屋さんがいる。

軽トラックで
「お芋〜お芋〜ホッカホッカのお芋だよ〜」

スピーカで音を出し走っているまでは普通だが、
この焼き芋屋さん商売っ気がまったくない。
凄いスピード
なのだ。
一度、昼間すれ違った時、「売る気あんのか…」
呆然と見送った。
未だ誰かが焼き芋を買っている姿を一度も見た事がない。

夜、女の人が、
「お芋屋さ〜ん!お芋屋さーん!!ちょっと==!!」
と、大きな声で叫びながら、
猛スピードの焼き芋屋さんに追いつけず、
小さな声でブツブツ言いながら帰る様子を布団の中で聞いた。
正直笑ってしまう。

あのスピードに間に合う人間は陸上選手くらいしかいないよ。
選手村で売れ…と思う。
もう何人目になるだろう…お芋が買えなかった人。
が、
10何年目にして先日、この焼き芋屋さんの
お芋が買えた人を偶然見た。

買えたといっても、数人の力のお陰で。

ベランダでぼけぇ〜としていたら聞こえてきた。
「お芋〜お芋〜ホッカホッカのお芋だよ〜」
相変わらずのスピードだ。
その後を小学1.2年生くらいの男の子が必死に追っかけている。
「お芋屋さーん!お芋屋さーん!!」
絶体聞こえている距離だ!
しかしスピードを落とす気配はまったくなく。
男の子の必死の顔を見ていたら腹が立つやら、
胸が熱くなってきちゃって、
「この!焼き芋屋ーっ!
             とまれバカヤロ==!!」

と思わずドデカイ声で叫んだと同時に
男、数人の大きな声が重なった。
「おーい!焼き芋屋—っ!!
                止まってやれーー!!」

隣でマンションを建設している職人さん達だった。
一人の職人さんは男の子の代わりに走っていた。

凄い迫力ある声に焼き芋屋は
ズルズルとバックして戻ってきた。

男の子は沢山走ったんだろう。
顔が真っ赤になってハァハァしながら
職人さん達に背中をなでてもらっていた。
焼き芋屋さんは普通のおじさんだった。
腰を低くしながら車から出てきて男の子にお芋を渡していた。
職人さん達はそんな様子を見て、
焼き芋屋のオヤジに文句を言うわけでもなく
仕事場に戻っていった。

ほんの数分の小さな出来事だった。
男の子もお芋を抱えて走ってきた道を歩いて戻って行った。
焼き芋屋さんは少しスピードを落とし走り出して行った。

誰も居なくなった道路をベランダから見下ろし、
…なんか、じんわり胸が暖かくなった。
ちょっと鼻の先もつんとした。

毎日、「うるさいな〜ぁ」と思えた隣のマンション工事の音も
正直うるさいけど…でも…前より少し気にならなくなった。
あの職人さん達のお陰かな?

でも、今日も
あの焼き芋屋さんは物凄いスピードで走っていた。

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